【よくある質問】 

 1.針で肝炎やエイズが感染することがあると聞いたのですが?

   肝炎やエイズは血液・体液を介して感染する病気です。ですから病気の人に刺した針を別の人に使えば
   感染する可能性はあります。
   特に肝炎ウイルスは感染力が強いので針灸の針での感染の可能性はあります。

   ただしエイズウイルスについては感染力が大変弱く、針灸の針にたとえウイルスが付着していても感染する可能性は
   無いことが実験で明らかになっています。

   更に今の針灸院は高圧滅菌器を備えて確実に針を滅菌していますので針による肝炎・エイズ感染の可能性は
   ほぼゼロに等しいと考えられます。
   ただし未知のウイルスの存在や人的ミスの可能性なども考えて当院では使いすて針を使用しております。
   患者さんの目の前で開封し、使用したらそのまま廃棄しますので感染の心配は全くありません。



 2.お灸の痕(あと)は残りませんか?

   当院では基本的に「せんねん灸」のような間接灸を使用しております。
   間接灸はもぐさが直接肌に接触しないため、やけどや水ぶくれになりにくいお灸です。
   95%以上の方は痕がついたり水ぶくれになったりすることはありません。

   肌が敏感な方ではまれに水ぶくれになることがありますが、その痕がずっと残るようなことはありません。

   当院ではこのような間接灸のほかに、痛みがひどい場合などにもぐさを直接載せて火をつける
   「直接灸」も行うことがあります。
   これは間接灸とは異なり痕がついたり水ぶくれになったりすることがありますが、この場合はやる前に
   説明し、患者さんの同意を得てから行い、痕がつくのが嫌な場合は行いませんのでご安心下さい。


 3.接骨院は保険がきくのに、どうして針灸院は保険がきかないのですか?

   まず接骨院と針灸院では免許が異なります。接骨院は「柔道整復師」という免許、針灸院は
   「はり師・きゅう師」という免許を持って開業しています。
   いずれも専門の学校で3年以上勉強し国家試験に合格してもらえる免許なのですが、それぞれの免許で
   できることが異なっているのです。

   柔道整復師は医師の許可なく保険治療をすることができますが、針灸師は法律でそれは禁止されています。
   針灸師が保険治療を行うには「医師の同意書」が必要なのです。つまり患者さんが医師に
   「針灸で治療したいので同意書を書いてください」とお願いしなければならないのです。

   これは言い換えれば「ここの病院では治らないので他で針灸をしたいのです」ということなので、
   実際問題としてそのようなことを医師に頼むのはほぼ不可能です。

   更に保険が使えるのは神経痛やリウマチなどの6疾患に限られ、針灸治療と病院の治療を併用してはいけない
   等の規制もあります。
   それに保険内でできる治療というのは治療箇所や治療方法などの制限があるので、痛い箇所すべてを
   治療できないケースも発生します。
   そのようなことから当院では保険を使わず自費による治療を行っております。

   日本針灸師会では「針灸院も接骨院のように自由に保険治療をできるように!」と厚生労働省に陳情に
   行っておりますが、保険が赤字の現在、審議すらされず、実現するのはなかなか難しいようです。
   一日も早く自由に保険治療ができるシステムになることを願っております。
 

 4.針灸はどうして効くのですか?


   針灸が効くメカニズムはまだ全て分かっていません。今までに分かっていることは、針や灸の刺激により
   筋肉がゆるみ、血行が良くなり、神経の流れが改善されるということです。
   他にも針灸の刺激により、脳が「外から攻撃されている。何とかしないと!」と判断し、針灸をしている
   箇所に白血球を集めたりすることでその箇所の免疫力・自然治癒力が高まり、結果として痛みや炎症が
   
早く治る、ということも分かっています。

   しかし、手に針をしてなぜ頭痛が治るのか?など科学的にまだまだ分からない事も多いのです。
   東洋医学では気血の流れを経絡(ツボの流れ)として体系づけており理論的に治癒の説明はできるのですが、
   これを科学的に説明するとなると難しいのです。
   事実、理論の根本となるツボとは何か?気とはいったい何か?
   という定説すらまだ明らかにされていません。

   中国医学は経験医学なので昔から理屈より実践を重視してきたため、西洋医学に比べ科学では証明
   できないことが多いのです。
   しかし最近は鍼灸大学などで針灸の科学的な証明が数多く発表されており、近い将来針灸のメカニズムが
   明らかになるのではないか?と針灸界から期待されています。



 5
.針灸院より病院に行ったほうが治るんじゃないですか?

   はい、その通りだと思います。針灸院ではレントゲン検査や血液検査などはできず、ガンなどの病気が
   隠れている場合もありますから、まず病院を受診することをお勧めいたします。

   ただし西洋医学が不得意とする疾患があることも事実です。肩凝りや腰痛、ひざの痛みなど慢性の痛みは
   病院では「これ以上良くなりません」とか「年のせいなので痛みをガマンするしかないですね」などと
   言われることがあります。

   そういう痛みでも針灸には痛みを改善する方法があります。また、更年期障害や病院の検査では異常が出ない
   シビレ・痛みなども針灸の得意分野です。
   つまり西洋医学の不得意分野をカバーするのが針灸だと思っています。
   ですから病院で治るものは病院で治す、それで治らないものは針灸を試してみるという考えでも
   いいのではないでしょうか。


 6.腰痛で病院に行ったら「骨が変形しています」と言われました。針灸で治療できますか?


      腰やひざが痛くて病院に行ってレントゲン検査をするとよくこう言われ、がっかりすることがあります。
     しかしがっかりする必要はありません。30歳過ぎると誰でも骨は変形してきます。筋肉が衰えてくるために
     骨で体重を支えようと骨はつぶれることで断面積を大きくするのです。

    「軟骨がすり減っています」と言われる場合もありますが、軟骨はもともと関節がスムーズに動くように
     グリグリこすれてすり減るようにできているのです。すり減っているということは軟骨がちゃんと仕事を
     しているということなのです。

     背骨の椎間板もそう。椎間板は骨の代わりにつぶれるのが仕事です。
     そのために柔らかくできているのです。だから軟骨がすり減っても椎間板がつぶれても、それは正常な姿で
     それが痛みの原因になることは少ないのです。それが証拠に、痛みの無い人でも6割の人に椎間板のつぶれ
     (ヘルニア)がみられるという報告もあります。

     では痛みの原因は何か?それは固い筋肉や靭帯に原因があると思われます。体の硬い人、筋肉が固い人、
     または筋肉が少ない人は関節に負担のかかる動きになってしまうため、関節やその周囲に炎症が起きやすく
     痛みの原因になってしまうのです。決して骨の変形が原因ではありません。

     そして筋肉や靭帯の炎症に対して針灸は大変効果的です。筋肉をゆるめ、靭帯の炎症を収めることで
     痛みも楽になることでしょう。
    「骨が変形している」と言われてもがっかりしないで針灸治療を試してみましょう

 

 7.それぞれの針灸院で治療法が違うのはなぜ?

      確かに十軒の針灸院に行くと十通りの治療法があるといわれるほど治療院によって治療法は様々です。
     針灸は中国から伝わった医学ですが、もともといくつもの流派があり様々な治療法がありました。
     そして日本に伝えられてからも新たにアレンジされたり日本人に合うように工夫されたため治療法としては
     何十種類もあるのです。

     ただし針灸の不思議な所は同じ病気に違うツボを使って治療しても治ってしまうのです。
     つまり治し方はいくつあっても、それぞれに効くのです。
     従ってそれぞれの流派によって使うツボや針の深さ、灸のやり方などは様々です。 
                                
     また、病院のように「この病気にはこの治療法」と決めてしまうこともできますが、それでは「病気」だけを
     見ていることになってしまいます。東洋医学は「病気をみるのではなく人をみる」という考えがあり、
     患者さんの状態でツボや刺激量を変えていきます。同じ病気でも体格や年齢、体の強さ、病気の進行具合などで
     治療法は変わってくるのです。

     つまり治療院ごとに治療法が異なる上に、同じ治療院内でも患者さんによって治療法が異なることもあるのです。
     これを周りから見ると「全然治療法が違う」と思われてしまうかもしれません。
    
治療法が異なるということは患者さんを惑わせる原因にもなり、大変ご迷惑をおかけいたしますが、治療法が
     たくさんある理由をご理解いただき、ぜひ自分にあった治療院を探して針灸治療を体験していただきたいと思います。

 8.何回通えば治るのでしょうか?

      これは全ての患者さんが思うことだと思います。私達も「○日で治ります」と断言したいのですが、
     病気の種類や病状の程度、痛くなってからの日にち等によって治るまでの日数は様々です。
     目安としてはぎっくり腰なら3日〜1週間、坐骨神経痛なら1ヶ月、ひざの痛みや五十肩なら1週間〜1ヶ月
     などですが、個人により治癒期間は変動しますので、まずは3日間通って痛みがどれだけ楽になったかを
     目安にすればいいでしょう。

     もし3日間通って全く良くならなければ治療院を変えたほうがいいかもしれません。

 9.針灸はクセになると聞いたのですが 

      確かに針灸はクセになるかもしれません。でもそれはもちろん「麻薬のように常習性になる」
     ということではありません。
     針灸は体だけでなく心の状態も治すことができます。ですから「やる気が出ない」「精神的にまいった」
    「疲れがとれない」などの病気とはいえない症状の改善にも役立ちます。
     そして一度この効果を知ってしまうと体調が悪くなると体が自然に針灸治療を欲するのです。
              
     それを周りから見ると「しょっちゅう針灸院に行っている」「クセになっている」と見えるのかもしれません。
     でも体も心もいつも元気でいられるならクセになっても構わないと思います。

    「現代社会は半病人が増えている」とよく言われます。元気が無い、体調が良くない人が増えているのです。
     そんな中、針灸治療で元気に過ごせるなら「針灸はクセになる」と言われることに我々は誇りを持ちたいと思います。

 10.整体,カイロプラクティック,足ツボ,タイ式マッサージ,アロマテラピー,ほぐし・・・たくさんあるけどどう違うの?

      最近特に「癒しブーム」も手伝って、上記のようないろいろな治療院があちこちにできています。      
     ただし資格という点では2つに分けられます。国家資格とそうでないものの2つです。
        
     国家資格なのは「針灸師」「柔道整復師」「あんまマッサージ指圧師」の3つだけで、他は民間団体や
     専門学校が出している資格です。
     どこが違うのか?というと国家資格は専門の学校で3年以上勉強した後、国家試験を受けて合格した者が
     もらえる免許なのです。
 
     しかし「3年も勉強できない」「専門学校の競争倍率が高い」「専門学校が近くに無い」などの理由で、
     民間の「整体」「カイロプラクティック」「足ツボ」の学校に通う人も少なくありません。私は決してこれらの民間学校が
     悪いとは思っていません。

     どんな治療でも治ればいいと思っています。患者さんにとっては免許の有無より治せるかどうかが重要だからです。
     事実、免許があっても治せない治療家もいるし、免許が無くてもドンドン治せる名治療家もたくさんいます。 

     ただし問題なのは国家資格以外は「民間療法」扱いなので、資格がいらず、法律上は誰がやってもいいのです。
     もちろん学校に行かなくてもOKです。全く知識の無い人がいきなり明日から看板を上げて「整体院」や
     「カイロプラクティック治療院」を始めても何の問題もないのです。

     実際に骨のしくみも分からない治療家がいきなり患者さんの首をボキボキやって後遺症が残り裁判になった
     ケースもあるくらいです。

     さらに「民間療法」は法律による規制がほとんど無いために「治療」という名目で患者さんを集め、高額な健康器具や
     健康食品を売りつけるなどの被害も出ています。

     私は患者さんのためには民間療法もきちんとした資格として認定し、勉強する内容や時間数も統一すべきだと
     思っています。
     そうすることにより素人がいきなり開業して事故を起こすことは無くなるし、悪徳業者が販売目的で開業することも
     少なくなると思います。

     国家資格者の中には「無資格者を徹底的に取り締まれ」と声高にいう方もおりますが「整体」だって「カイロ」だって
     患者さんを治したい、痛みを楽にしてあげたいという気持ちは国家資格者と変わらないと思います。
     だからきちんと資格として認定し、患者さんが安心して治療法を選べるようになればいいと思っています。
     たくさんの種類の治療院が混在している理由をご理解いただき自分に合った治療院をお探し下さい。 




 

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